檜葉(ヒバ)について
国内で流通している「ヒバ」と呼ばれる木材は、「青森ヒバ」を代表とする国産の物と北米大陸北部西海岸沿いが主な産地の通称「米ヒバ」という物があります。
「青森ヒバ」がヒノキ科アスナロ属なのに対し、「米ヒバ」はヒノキ科ヒノキ属なので厳密に言えば違う種類の材ですが、見た目も性質もよく似ております。辺材は白色に近く、芯材は淡黄色で肌目が細かく弾力があります。この材の最も大きな利点は天然のヒノキチオールと天然のフェノール化合物等を含んでいる事による極めて高い抗菌性と耐水性です。水に強く、腐朽菌・シロアリを寄せ付けないので社寺仏閣・重要文化財の改修復元に採用されております。他の木材と比較すると感覚的に油分が多いという印象です。
将棋・囲碁盤に最適な材として特筆すべき点は、将棋・囲碁盤の最高峰「本榧」と同様、経年変化による美しさが現れる事です。「ヒバ」で作った盤は年数を重ねるごとに「味」が出て高級感が増してきます。これは長く使って頂きたいと考える作り手の私どもとしては非常に大切な事です。
精度が求められる将棋・囲碁盤においては、現在の国内材木流通から考えると、より安定的に歪みが生じにくい優良材が供給される「米ヒバ」が最適であると考えております。